こんにちは。
大崎シティデンタルクリニック歯科衛生士の渡邉です。

今日お話しするのは、”PMTC”についてです。
ほとんどの方がPMTCと言われてもピンと来ないのではないでしょうか。
前回の記事で猪飼さんがお話ししたように歯を白くする方法にも様々な方法がありますが
このPMTCも歯を白くする方法の一つなんです。

まずPMTCとは『Professional Mechanical Tooth Cleaning』の略で
ご自身で行う日々のブラッシングだけでは落ちない歯の汚れ(バイオフィルム)やステインを
歯科医師、歯科衛生士が、専用の機器とフッ化物配合研磨剤を使用してキレイにクリーニングすることを言います。

毎日の歯磨きにプラスして、定期的にPMTCによるメンテナンスを続けることで、
茶渋やタバコのヤニ、カレーやチョコレート、ワインなどによる頑固な着色や、たまった汚れも除去できますので、
虫歯や歯周病になる確率をぐっと抑え予防することができますし、見た目も非常に美しくなります。

PMTCの効果

1.むし歯予防
むし歯の原因となるバイオフィルムや、歯石を除去することで虫歯予防になります。

また、歯面を滑沢にすることでバイオフィルムや、ステインが付着しにくくなります。

2. 歯周病疾患・歯肉炎の改善と予防
歯肉の下のバイオフィルムを除去することで、歯肉の炎症を改善し、歯肉の状態を健康にすることができるので、
歯周病、歯肉炎の予防にもつながります。

3. 歯質の強化
PMTCの最後に高濃度フッ化物(9000ppm)を塗ることで、歯の再石灰化を促進し、歯のエナメル質を強化することができます。
※インプラントへの高濃度フッ化物塗布は腐食の可能性があるためインプラントが入っている方へは、最後に歯と同じ成分を使用した
トリートメント剤で仕上げています。

4.口臭の予防
口臭の原因の一つである細菌を完全に除去するので口臭予防にも効果が期待できます。

5.歯の着色の除去し、審美性の向上
茶渋やタバコのヤニ、カレーやチョコレート、ワインなどによる頑固な着色や、たまった歯垢も除去できますので、
本来の光沢のある美しい歯を取り戻すことが出来ますし、汚れも着きにくくなります。

PMTCの時間と費用、流れ

所要時間は60分、費用は¥11000-(税込)です。
PMTCは、予防と審美を目的としたクリーニングですので
自費(保険適応外)となります。

1.口腔内診査
歯や歯肉の状態を確認し健康な歯肉か、歯周炎・歯周病、インプラント周囲炎はないかを診査し
使う器具やペーストの選択をします。

2.染め出し
染色液によりバイオフィルムの可視化をし、取り残しがないように
またオーバートリートメント(過剰なクリーニング)にならないようにします。

3.エアフロー
細かいパウダー粒子をジェット噴射で吹きかけ、バイオフィルムやステイン、早期歯石の除去を行います。
当院ではEMS社のエアフロープロフィラキシマスターを使用しております。
EMS社のエアフローパウダープラスは歯肉縁上(歯肉より上)はもちろん、歯肉縁下(歯肉の中)4㎜までのバイオフィルムも除去します。
エナメル質に残った強固なステインはプラスパウダーよりも少し粒子が大きいエアフローパウダーを用いて除去します。

4.残った歯石の除去
残った歯石は低侵襲なEMSの専用チップを使用し除去します。

5.フッ化物、トリートメント剤の塗布
バイオフィルム、歯石が残っていないことを確認し、お口の中の状態に合わせ
フッ化物や、歯と同じ成分を使用したトリートメント剤を塗布し、歯の再石灰化の促進、歯質の強化を行います。

※PMTCは一度だけ受けるよりも、定期的に受けることでむし歯や歯周病の予防効果が上がります。

ホワイトニング(ブリーチング)との違い

このPMTC、一般的に言われるホワイトニングとは何が違うのでしょうか。

PMTCは、これまでお話したように専用の機器で歯本来の白さを取り戻すクリーニングです。
対してホワイトニングは、歯そのものの色をブリーチング剤を使用し、白く漂白する方法です。

着色汚れなどを取り、歯本来の色を取り戻したいのか
または、専用のブリーチング剤により歯そのものの色を白くしたいのかにより方法が変わってきます。
当院では患者様のご希望はもちろん、歯科医師、歯科衛生士による診査・診断で患者様お一人お一人に合う方法をご提案致します。
ぜひご相談ください。

次回以降の記事ではブリーチング剤を用いたホワイトニング、その種類についてお話ししていきます。

大崎シティデンタルクリニック 
歯科衛生士 渡邉