本日は入れ歯のおはなし。
虫歯や歯周病で歯を失った場合、差し歯をつなげたようなブリッジ、
取り外しの出来る入れ歯、人工の歯根を骨に埋め込むインプラント治療、
のいずれかの方法で欠損を補う治療をします。

それぞれにメリット、デメリットありますが、「入れ歯」というと
あまりイメージが良くないかもしれませんが、

・歯を削る量を少なくできる
・外科処置が必要ない
・治療期間があまりかからない、見通しが立てやすい
・破損などの不具合にも対応しやすい

などブリッジやインプラントよりも優れた点があります。
もちろん、取り外しができる、ということは食事をしている
最中に外れてしまう可能性がありますが、入れ歯の設計を
きちんとしてあげて、食事にちょっとだけ気をつけて頂ければ
殆どの場合、気兼ねなく楽しんで食べることができます。

写真は50代の男性
左下の大臼歯2本を失い長いこと放置されていました。
一度保険診療の範囲で入れ歯を作りましたが、使い心地が悪く、
すぐに使わなくなってしまいました。

入れ歯

しかし、食事もしづらく、なにより奥歯がないことで顎が
不安定になり筋肉がこわばり、コリや痛みを感じるようになってきた、
と改めて欠損を補う治療を希望されて来院されました。
この欠損だと奥の支えがなくブリッジは適応外。
インプラント治療は外科処置があり肉体的な負担が
大きいのと期間が非常に長くかかる、ということで希望されません
でした。
他にも費用が100万円以上かかるということもネックになったようです。

そこで色々と話し合いを重ねた結果、コーヌスクローネという
特殊な形状の被せものを二重に被せる構造の装置を応用した
入れ歯で治療することになりました。
欠損の手前の銀の被せものを外し、虫歯を綺麗に処理した後に
図のような入れ歯をお口の中に装着します。

入れ歯 入れ歯

一番手前の部分は大きく歯を削りたくないとの希望もあり
コーヌスクローネではなく虫歯の処置の詰め物とバネで抱え込む
設計としました。
コーヌスクローネを応用した入れ歯はその外形を非常に小さく納める
ことができ、また維持力にも優れるため使用感が良く、
装置の耐久性も高いため取り外しの入れ歯を使用する、
ということに抵抗がなければ非常にメリットの多い方法であると
言えます。
ガムやお餅、するめやビーフジャーキーのような食品は食べづらい、
あるいは食べられない可能性はありますが、殆どのお食事は問題なく
召し上がれることが多いです。

残念ながら保険診療の適応外ですので費用はかかりますが
この方の場合、インプラント治療を選択した場合に比べると半分強で済み
食事もしやすくなり、顎の調子も良くなった、と
非常に喜ばれていました。

大崎シティデンタルクリニックでは機能を美しさを回復する審美治療にも
力を入れております。ご興味のある方は是非、お問い合わせください。

三留